2023.04.20 会津の仏教文化/会津三十三観音巡りところり観音

会津は、平安時代(794–1185)から仏教文化の中心地でした。その後、大名の保科正之(1611-1673)が33体の観音像、慈悲の菩薩を結ぶ「会津三十三観音巡り」を作りました。観音菩薩が33の姿に変化することができると言われていることから、この数字は重要です。会津三十三観音には、単独の石像から寺院に安置され国宝に指定されている像まで、さまざまな種類の観音像があります。
 
正之は、約1300年前に関西を中心とした7県を巡る西国三十三所観音巡礼の道筋にインスピレーションを受けました。それは、罪の赦しや幸運への祈り、健康祈願、保養のために行われたものでした。正之は、西国巡礼に出かけた住民が2カ月も留守にするため、会津から他藩に資金が流出していることに気づきました。そこで、会津三十三ヶ所の霊場を巡るルートを成立させ、道や宿を整備することで、地元の人々にとって魅力的な旅先にしました。こうして仏教文化と観光が結びつき、盛んになりました。また、会津三十三観音巡りは、会津の文化や自然を体験できるものとして、会津外からの観光客にも人気になりました。会津三十三観音巡りは、現在でも同じような目的で行われています。